ひまわりの目的

 ひまわりの種を蒔きました。お盆前には花が咲き、数日たてば咲き誇り、3反ほどの畑が一面、ウソのように真っ黄色になり、遠目からでも見事になります。

 目立つ花はその鮮やかさで鳥を呼び、種を食らってもらっては遠くの土地まで運んでもらい、行きつく先で落としてもらい、ついては領土拡大、その繁栄に一役買ってもらうわけですが、ぼくらに似たよう機能が太古から忘れそびれてそのまま備わっているみたいで、そこらの人が散歩の途中で黄色のひしめきを見かけたとあれば、その見事な磁場に吸い寄せられて、一人寄れば二人寄り、それからは徐々に増えては群がって、老若男女、代わる代わるに写真を撮ったり撮られたりして、はしゃぎ合っているそんな様子を眺めていると、ぼくのほうも満更ではなく、こんなに喜ぶならどれ来年もまた蒔いてみようかなと思ってしまい、結局毎年蒔いているわけですから、これではまんまとひまわりの思惑通りであって、そこらの鳥以上にもう、その種の繁栄に多大な貢献をしているわけです。

 とはいえ、ぼくがひまわりを蒔くのは本当はひまわりの花で道行く人を高揚させたいわけでも、黄色ひしめく畑中を草刈り機つきのトラクターで縦横無尽ぬうように走りぬけ、機械の幅分刈り倒し、あげく子供らにひまわり迷路を作ってあげたいという父親の一心でもなく、それも一応やることはやるのですが、最後の目的ではないということで、結局は最後にすべてのひまわりを刈り倒し、全量を畑に鋤きこんで、微生物のエサとして炭素分を供給するのが目的です。それが、しいては土壌の団粒構造につながるわけですが、そんなことより、今度はこれまた背後に微生物の思惑があり、ぼくはぼくの利害でやっていると思い込んでいる諸々も、考え出すといつも別の何かに突き動かされ、利用されている気がしてしまい、生物の系とはどうにも逃れられない強力なものがあります。システムから逃れられなくても、そのおこぼれにあずかることができれば、それだけで十分なのかもしれません。

ないとう農園

あんしん、あんぜん、美味しいの一歩先へ。 「心躍る野菜」を育てています。 presented by 有機農業法人 ㈱さいたま五つ星野菜

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