想像と実行のあいだ

 春に植えたブロッコリーやらキャベツやらの片付けがこないだで一応みんな終わりました。 

 何を片付けているかというと、防虫ネットをはずし、支柱を回収するわけですが、文字にするとなんてことなく、そんなもの一瞬で終わりそうな雰囲気がありますが、現実にやるとなると一列二列で済む話でなく、ひたすらやらないといけないわけですから、これは結構大変です。

 うちは化学合成農薬を使わずに野菜を育てていて、虫にやられがちな品目については防虫ネットをかけてチョウチョやガの進入を物理的に防いでいて、防虫ネットというのは、張るときは植えた野菜をこの隔たりでとことん守りぬいてやるぞ、とやる気がみなぎり、しかも植えたとたんに張るのが一番スキがなく効果的なものだから、どうせやるならすぐがよく、やるとかやらないとか考えるより早く身体が動き、一目散に取り掛かれるのですが、採るものも採って、さあ剥がすとなると急に話が違くなり、剥がす方となればこちらはわりといつでもよくて、むしろこれから植え付けなければいけないものが育苗ハウスに控えていればこれを植え付けないことには三か月後の懐事情に直結するので最優先で、今まさに出来ていたり、出来つつあったりする作物の草むしりや支柱立てなんかの管理作業も当然これも重要で、そういう今やらないともう取り返しのつかない作業を並行にいつでもいくつも抱えているわけですから、それを尻目に片付け作業を率先してやっていくというのには、強い心が必要です。というよりもたくましい想像力が必要で、というのも、いくらいつでもいいからといってあまり後回しにしすぎると、今度は畝間の草が伸びに伸び、これが部屋の片付けとははるかに違う自然の脅威というものですが、部屋でしたらほっとくだけなら現状維持で、せいぜいホコリがうっすら余計に積もるだけですが、畑となると状況が刻一刻と悪くなり、昨日と今日ではそんなに差がわからなくても、今日と一週間後では全然違い、これがうっかり一か月手を入れていないとなるともう目も当てられず、茂る葉は背丈もゆうに越してきて、そそりたつ茎茎をかき分けての片付け作業になってしまい、もともと数時間で終わるような作業が一日仕事になったりするので、しかもこれはだいたい真夏の暑くてたまらないときにやる羽目になり、そういうことをそうなる前にうまく想像し、今事にすることができたなら、ようやく片づけるということができるのです。

 でも本当は、片付けに関して一家言あるふりをしていますが、ぼくはどうしても洗濯物をあるべき棚にしまえず、あげく、業を煮やした妻に丸ごと全部をゴミ袋にまとめられ捨てられそうになってからようやくあわてていつも救出するくらい片付けが苦手なのです。ということはつまり想像力が足りてないということなのです。いやたぶん想像力は足りているのですが、そこから実行までの断絶があまりに深くて広いのです。

ないとう農園

あんしん、あんぜん、美味しいの一歩先へ。 「心躍る野菜」を育てています。 presented by 有機農業法人 ㈱さいたま五つ星野菜

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