It's automatic.

 毎日暑くて、雨も降らないし、聞くところによると数キロしか離れていない友人農家たちの畑には毎日のように夕立がきているらしく、どうやらほんのちょっとの風向きの差で毎回うちの畑には降らないようで、こんな仕打ちはただ降らないよりよほどやきもきしてやりきれないのですが、たぶんたまたまではなく微妙な地形の具合でいつもそういうことになっていて、土地柄からくる宿命は、これはもう受け入れざるを得ません。

 毎週毎週このニュースレターでは、雨が降るとか降らないとかをひたすら書いているような気がしてますが、気にすることといえば本当にそういうことしかほとんどなくて、われわれ農家の10大ニュースの10の内、7~8は天気が起因することで埋められているはずで、そうとなるとどうせ天気はままならないのだから、のんきといえばのんきなのかもしれません。

 気分としてはサーフィンなんかといっしょで、来る波は選べず、ただただ来た波にうまく乗り、いざ今年一番のビッグウェーブが突然来ても、乗りそびれることがないように、どころか、その大波に飲み込まれて溺れてしまうことがないように、常日頃から基礎的な練習をしておくしかありません。ぼくはサーフィンはやったことがないので、想像でだいぶいい加減に書いていますが、たぶんサーフィンの醍醐味と農業の醍醐味は同じようなところであって、海辺にぷかぷか浮かぶサーファーは一見のんきそうではありますが、ただ浮かんでいるというよりも、引き波から色んな情報を感じ取り、まだ見ぬ寄せ波の様子を予感して、ここぞというタイミングでバシャバシャ急に泳ぎだし、あげく板の上に立ち上がり一心同体、あんなに不安定な場所で器用にバランスをとり乗りこなし、そのまま浜辺に華麗に滑り込み、こんな風にときたま来る素敵な波にうまいこと乗れたとあればさぞ気持ちがいいのだろうな、と感心してしまいますが、農業も案外そんな感じで、勝手に来る自然にうまく乗れたときは、栽培のほとんどが大して力をかけずともうまくいき、こんなに気持ちいいことはありません、

 考えてみると、農業のほとんどが、自動でことがどんどん進んでいき、今は雨は降らないですが、そうはいってもしばらくすれば自然に降るし、土には微生物もうじゃうじゃいて誰に言われるでもなく有機物を無機化してくれるし、種さえまけば芽が出るし、細胞一つひとつを農家が積み上げていかなくてもなんか勝手に大きくなるし、自然ってやつはすでにしてなんて自動化が進んでいるのだろうかと思います。ヒトはこういう自動的なシステムに乗っかって今までずっと農業なんかをやってきたものだから、この乗り心地が忘れられなくて、ぼくらは今でもなんでもかんでも自動化したくてたまらないのかもしれません。自動化のためにはもてる手足はとことん使い、頭もひっきりなしに動かし続け、いざ自動化の夢が達成されたとなれば、その自動化の自動的さを享受するひまもないほど一目散に次なる自動化に向けてまた総動員だというわけで、この飽くなき人力には驚嘆せざるを得ません。となるとすでにある生態系という自動的さを最大限に享受しようとする露地栽培は、もっというと露地の有機農業は、実は案外ナマケモノなのかもしれません。

ないとう農園

あんしん、あんぜん、美味しいの一歩先へ。 「心躍る野菜」を育てています。 presented by 有機農業法人 ㈱さいたま五つ星野菜

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