スンバラシー リダンダンシー♬
雨も降り飽きて、風もほとんど穏やかで、まさに秋晴れという天気が続き、9月の雨に終始閉じ込められていた子供らもやっと真剣に外で遊べるようになり、ぼくら農家もこの陽気にはうずうずと動き出さざるを得ません。
はやる気持ちで苗を植え、(やっと植えられた、植えられた。)、とはしゃいでいたら、今度は10月にしては日差しが強すぎて、植えた白菜やキャベツが枯れかかり、あわてて遮光ネットをかけていき、面倒ですが、ネットをかければ日除けの他に短期的に防虫も兼ねるといったところで、ひとまずこれで安心です。
残りはあとレタス系や細かいハーブを少し植えれば、直近で植えなければならない苗は全て植え切り、そしたら今度はひたすら玉ねぎの定植が始まります。
雨ばかりの9月を終えて、諸々の作物の調子はどうだったかというと、例年の傾向からぼくは今年の9月もまだまだ季節は夏ど真ん中という感じになり、雨は降らないは、気温も全く下がらないは、虫は多いは、人参は発芽しないは、そういう酷暑からくる文句を毎日つぶやきながらの作付けを余儀なくされるんだ、と夏の前から警戒をしていたのですが、具体的にはナスやピーマンやモロヘイヤなんかの暑さに強い野菜がいつまでも収穫できるように普通よりずっと遅くにも植えといたり、葉物野菜がきっと暑すぎて育たずなかなか採れないだろうから、その代わりに玉ねぎジャガイモなんかの貯蔵の根菜をこの9月の端境期にあてがって直売所の持ち場の棚をあけることなく出荷し続けようと貯蔵庫を広げてその時を待っていたりと、暑くなる方にずいぶん全霊を賭けていたのですが、蓋を開ければ例年にないくらいの日差しのなさで、どころか、まるで懐かしい思い出の中の秋のようで、少しもの悲しさを内に含んだ涼しさで、これは拍子抜けどころか期待していたナスやピーマンなんかは日照不足でたいして生らず、ほとんど本領を発揮することなく空振りに終わってしまいました。
ただ当てが外れて良かったこともけっこうあって、里芋や生姜などの水気が好きな野菜には、この九月はずいぶん陽気がふさわしく、毎日の雨の中でもすくすく伸びて、特に里芋の葉っぱなんかはぼくの背丈もゆうに越え、こんな調子のいい里芋はここ最近とんとお目にかかったことがありません。
うちの農園は多品目栽培といって、色んな野菜を色んな畑に少しずつ育てているので、天気によって大勝ちすることがないぶん、絶望的に大負けすることもないようで、この秋の思いもよらない極端な気象でもなんとかもちこたえられたのですが、これはうちの農園が販売面栽培面あらゆる面で冗長的だからなのだと思います。最近の天気事情を察するに、これから先時代が進めば進むほどなおさら天気は極端になること請け合いで、一方天気予報というのは水物で、状況を詳しくすればするほど予報としては大雑把にならざるを得ない性質を根本に含んでしまっているものだから、今に近い天気ならこれはもう高精度であててくるのですが、つまり、「今おたくの地域はゲリラ豪雨にみまわれています。でも大丈夫20分くらいでやみますよ。」みたいなことの精度が高いところで、そんなこと20分経てばぼくにだって確実にわかるのだから、これではどうしようもありません。
天気予報が確実でない以上、つまり少なくとも三か月先の天気を完全に把握できない以上、予報だよりでこの種を蒔くべきか蒔かざるべきかは決められず、そうとなると農業にはますます冗長性ということが肝心になりそうで、冗長的であるということは、販売や栽培に3つも4つも並列にシステムを抱えるということで、これはどうやっても効率が悪そうですが、もはや冗長的なほど効率的という世の中になってくれば、ぼくは何事も冗長にしていくことにかけてはがぜんやる気が出てくるタイプなので、このニュースレターにしてもおそらくすでにそうなので、どこまでも冗長には出来そうですが、ニュースレターのスペースがそれを許さないのでとりあえずはこの辺で。
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